完璧な存在に戻る方法——「解呪(かいじゅ)」の実践

私たちは、生まれながらにして完璧な存在でした。しかし、今そのことを実感できないのは、日々の思考や行動の中で余計な執着や思い込みを抱え込んでしまったからかもしれません。

「こうでなければならない」「こうあるべきだ」といった考えは、知らず知らずのうちに自分に負の咒い(まじない)をかける原因になります。この咒いは、心身の状態や日常の出来事に影響を与え、時に私たちを苦しめるのです。

では、私たちはどうすればこの咒いを解き、再び本来の状態に戻ることができるのでしょうか?
その方法として「解呪(かいじゅ)」を実践していきます。


私たちはなぜ「完璧な存在」なのか?——創世記からの視点

神のかたちに創られた人間

聖書の創世記によれば、人間は神の「像」と「肖」に従って創造されたと記されています。

「我々のかたちに、我々に似せて人を造ろう。」(創世記 1:26)

「神は自らのかたちに人を創造された。神のかたちに創造し、男と女に創造された。」(創世記 1:27)

ここでの「像(エイコン)」と「肖(ホモイオーシス)」は、それぞれ 「神の本質に近い要素」「神に近づいていく可能性」 を示しています。
つまり、人間は生まれながらにして「神のような本質を持ち、成長していく存在」として創造されたのです。

しかし、現実には多くの人が「不完全だ」「もっと努力しなければならない」と感じています。それは、私たちが本来持っていた「神のかたち」に気づかず、不要な思い込みや執着を抱え込んでいるからかもしれません。

この「本来の完璧さ」を取り戻すための方法が、「解呪(かいじゅ)」です。


咒い(まじない)とは何か?

咒いの語源と歴史的背景

「咒い(まじない)」という言葉には、二つの側面があります。

  • 「呪い」(のろい):負の影響を与える意図を持つもの
  • 「祈祷・祝詞」(きとう・のりと):良い方向に導くためのもの

古代から、人は言葉や意識の力を利用して現実を動かす力を持っていました。例えば、呪術や祈祷は、病気を癒したり、豊作を願ったりするために行われてきました。しかし、意図せずとも私たち自身が自分に対して呪いをかけることもあるのです。

例えば、「私はダメだ」「どうせ無理だ」と自分に言い聞かせ続けると、それが自己暗示となり、結果的に行動や体の反応にも影響します。これが、自分自身への「負の咒い」となり、知らないうちに体の不調や問題を引き起こす原因となります。

また、日本の歴史においても呪術的な風習は長い間存在していました。奈良時代の呪符や、平安時代の陰陽道に基づく厄除けの儀式は、古代社会における「咒い」の象徴的な例といえます。


自己観察の具体的な方法

1. 体の声を聞く

私たちの体は、常に「本当の状態」を教えてくれています。

  • 深いため息が出る → 心が疲れているサイン
  • 肩や首がこる → 何かを「背負いすぎている」
  • 胃が重く感じる → 不安や緊張を抱えている
  • 疲れが取れない → 過度なストレスや思考の偏りがある

これらは、体が「何かに無理をしている」「気づくべきことがある」と伝えているサインです。まずは、自分の体が発している小さな声に耳を傾けることから始めましょう。

2. 思考のクセを見つめる

私たちは無意識のうちにネガティブな自己暗示を繰り返しています。

  • 「どうせ無理」
  • 「自分には価値がない」
  • 「もっと頑張らなきゃ」
  • 「失敗したら終わりだ」

このような思考が続くと、それが「咒い」となり、現実にも影響を与えます。

また、思考のクセを意識的に変えるためには、定期的に書き出すことが有効です。日記やメモを活用し、自己対話を深めることで、自分が無意識に抱いている思考の傾向を客観的に把握することができます。


解呪(かいじゅ)—— 負の咒いを解く方法

1. 気づくことが第一歩

最も大切なのは、「自分が負の咒いをかけていたことに気づく」ことです。

2. 逆の言葉を使う

ネガティブな言葉をポジティブなものに変えてみましょう。

  • 「どうせ無理」→ 「やってみる価値はある」
  • 「自分には価値がない」→ 「私は私のままでいい」
  • 「もっと頑張らなきゃ」→ 「今の自分でも十分だ」

言葉の力は強力です。ポジティブな言葉を意識的に使うことで、現実も変わっていきます。

また、解呪の実践として、日常生活の中で意識的に肯定的な言葉を使う習慣を持つことが効果的です。


まとめ

「咒い」は、良くも悪くも私たちの現実に影響を与えます。しかし、負の咒いは自分で「気づき」「解呪」することが可能です。

解呪のステップ

  1. 自分の思考・行動・体の反応を観察する
  2. ネガティブな思い込みに気づく
  3. ポジティブな言葉や考え方に置き換える
  4. 行動を変えて、新しい結果を作る

こうして、少しずつ「本来の完璧な自分」に戻っていくのです。