「伸張する力」とは? 筋肉の本質と心地よい動きの大切さ

日常生活やトレーニングの中で、「力を抜く」「リラックスする」という言葉をよく耳にします。しかし、本当の意味で「脱力する」とはどういうことなのでしょうか? そして、「伸張する力」とは何を指すのか?

今回は、筋肉の基本的な仕組みから考えてみたいと思います。

筋肉は「縮む」「ゆるむ」だけの存在

筋肉には、大きく分けて**「縮む」「ゆるむ」**という2つの働きがあります。

• 筋肉にONの指令が入ると縮む。

• 筋肉がOFFの状態になるとゆるむ。

この性質を考えると、筋肉には「伸びる」機能は基本的に備わっていないのです。もし何もしなければ、体の筋肉はどんどん縮んでいくことになります。

つまり、必要以上に縮んだ状態を**「力んでいる」、逆に必要以上にゆるんだ状態を「力が抜けすぎている」**と言います。

よく「脱力して立つ」という表現を聞きますが、これは**「力をゼロにしろ」という意味ではなく、「必要最低限の筋出力で立つ」**という意味になります。

「伸張する力」の正体とは?

筋肉だけを見ると、「縮む」「ゆるむ」しかないように思えますが、腱や靱帯、皮膚まで視点を広げると「伸びる」という機能が見えてきます。

これは特別な話ではなく、単純に「日常の中で自然にノビをする習慣をつけよう」ということです。

動物や子どもから学ぶ「ノビ」の習慣

難しく考えず、自然の動きに目を向けてみましょう。

例えば、犬や猫は目が覚めるとまず大きくノビをします。人間の子ども、特に未就学児を観察していると、手をぷらぷらさせたり、寝返りの中で自然にノビをしていることに気づきます。

私たち大人も、意識的にこの「ノビ」を取り入れてみるのが大切です。

**「〇〇筋を伸ばすためのストレッチ」といった細かいことにとらわれすぎず、「気持ち良い方向へ、手足や背中を伸ばしていく」**ことが重要。

心地よさを大切にすることで見えてくるもの

「正しい動き」や「理論的なアプローチ」も大切ですが、それだけに縛られず、自分の体が心地よく感じる動きを取り入れることも大切です。

心地よさは、他者の刷り込みに影響されにくい、本質的な「自分らしさの反応」です。

頭で考えた「これをやりたい!」も大事

体が感じる「これが心地よい!」も大事

どちらも大切にしながら、もっと自由に体を動かしてみませんか?

まとめ

• 筋肉は「縮む」「ゆるむ」機能しか持っていない

• ただし、腱や靱帯、皮膚の働きを含めると「伸びる」力がある

• 動物や子どもは自然にノビをしている

• 「正しいストレッチ」よりも「気持ちよくノビる」ことが大切

• 頭で考えるより、体の感覚に素直になることで本当にやりたいことが見えてくる

日々の生活の中で、意識的にノビを取り入れ、心地よい体の使い方を楽しんでみましょう!